WSL2を使ってみている¶
個人ではUbuntu Desktopを使っていたのだが、Windows 10 May 2020 Updateがきたので試してみている。Windows Terminalと相まって使い勝手よく試せている。
ターミナルアプリケーション¶
WSL2にふれるのに便利なターミナルアプリケーションがほしかったので、先日正式版になった Windows Terminal を使っている。 Powershell, cmd.exe, WSLとタブを切り替えながら作業できるのがよい。現在の設定は以下。
// To view the default settings, hold "alt" while clicking on the "Settings" button.
// For documentation on these settings, see: https://aka.ms/terminal-documentation
{
"$schema": "https://aka.ms/terminal-profiles-schema",
// 自分が使いたいprofileのguidを指定する
"defaultProfile": "{61c54bbd-c2c6-5271-96e7-009a87ff44bf}",
"initialCols": 120,
"initialRows": 50,
"profiles": {
"defaults": {
// Put settings here that you want to apply to all profiles
"colorScheme": "Dracula",
"cursorShape": "filledBox",
"fontFace": "Ricty Diminished",
"fontSize": 14,
"hidden": false
},
"list": [
{
// Make changes here to the powershell.exe profile
"guid": "{61c54bbd-c2c6-5271-96e7-009a87ff44bf}",
"name": "Windows PowerShell",
"commandline": "powershell.exe"
},
{
// Make changes here to the cmd.exe profile
"guid": "{0caa0dad-35be-5f56-a8ff-afceeeaa6101}",
"name": "cmd",
"commandline": "cmd.exe"
},
{
// Make changes here to the wsl.exe profile
"guid": "{07b52e3e-de2c-5db4-bd2d-ba144ed6c273}",
"name": "Ubuntu-20.04",
"source": "Windows.Terminal.Wsl",
// 起動時にHOMEディレクトリで開くようにする
"commandline": "wsl.exe ~"
},
{
// Make changes here to the azure profile
"guid": "{b453ae62-4e3d-5e58-b989-0a998ec441b8}",
"name": "Azure Cloud Shell",
"source": "Windows.Terminal.Azure"
}
]
},
// Add custom color schemes to this array
"schemes": [
{
"name": "Dracula",
"background": "#282A36",
"black": "#21222C",
"blue": "#BD93F9",
"brightBlack": "#6272A4",
"brightBlue": "#D6ACFF",
"brightCyan": "#A4FFFF",
"brightGreen": "#69FF94",
"brightPurple": "#FF92DF",
"brightRed": "#FF6E6E",
"brightWhite": "#FFFFFF",
"brightYellow": "#FFFFA5",
"cyan": "#8BE9FD",
"foreground": "#F8F8F2",
"green": "#50FA7B",
"purple": "#FF79C6",
"red": "#FF5555",
"white": "#F8F8F2",
"yellow": "#F1FA8C"
}
],
// Add any keybinding overrides to this array.
// To unbind a default keybinding, set the command to "unbound"
"keybindings": [
{ "command": "copy", "keys": ["ctrl+shift+c"] },
{ "command": "paste", "keys": ["ctrl+shift+v"] }
]
}
以下のように日本語の扱いなどでまだ難ありなところはあるが、一旦許容して使っている。 この辺もクリアになるということなしかなー。
IMEでインライン補完が効かない
少し古いVimを使っていたら記号や濁点付き文字の表示がおかしくなったりした
tmuxの描画が乱れるように感じる
tigで縦線が表示されない
https://twitter.com/kashew_nuts/status/1269494772349014016
WSL2のインストール¶
まず WSL 2 Linux カーネルの更新 を実施。 次に Windows Subsystem for Linux (WSL) を Windows 10 にインストールする に従って、Microsoft StoreからUbuntu 20.04 LTSをインストールした。 その後普段使うPythonやVim, Git関連のツールをインストール。
$ sudo apt update -y && sudo apt upgrade -y
$ sudo apt install python3-venv python3-dev nodejs npm zip unzip vim-gtk golang xsel hub tig
$ git clone https://github.com/tmux-plugins/tpm ~/.tmux/plugins/tpm
$ curl https://bootstrap.pypa.io/get-pip.py -o get-pip.py
$ python3 get-pip.py --user
$ go get github.com/x-motemen/ghq
あとは dotfiles を落として来て、展開すれば準備OK。
クリップボードどうする¶
VirtualBoxのようなVMを使っているときも悩みのタネだったが、今回はtmuxでclip.exeを使うようにした。 普段からターミナルでのコピペはキーボードで完結させていたので、同じようにしたかった。
調べると equalsraf/win32yank が良いという記事があったが、 自分の環境では動かなかったのでOS標準で入ってるのを使うことにしました。 clip.exeはコマンドプロンプトでもPowershellでも使えるので、考えることを減らせていいと思った。 以下のようにファイルを用意してWSL環境のときだけ読み込むように設定。
# ~/.tmux.conf
if-shell 'test "$(uname -a | grep Linux | grep microsoft)" != ""' "source-file ~/.tmux.conf.wsl" ""
# ~/.tmux.conf.wsl
bind-key -T copy-mode-vi Enter send-keys -X copy-pipe "cat | clip.exe"
bind-key -T copy-mode-vi y send-keys -X copy-pipe-and-cancel 'cat | clip.exe'
bind-key -T copy-mode-vi Y send-keys -X copy-pipe 'cat | clip.exe'
ただこれだとVimでヤンクしたときにクリップボード連携ができていないのでvimrcに以下の設定を追加する。
+clipboard
なVimである必要があるので、 sudo apt install vim-gtk
などして有効にしておくこと。
" ~/.vimrc
if system('uname -a | grep microsoft') != ''
augroup myYank
autocmd!
autocmd TextYankPost * :call system('clip.exe', @")
augroup END
endif
Docker, docker-composeはどうか¶
以下の公式ドキュメントを参照しインストール。
sudoなしでdockerコマンドが使えるように以下も設定。
# 現行ユーザをdockerグループに所属させる
sudo gpasswd -a $USER docker
# dockerデーモンを再起動する
sudo service docker restart
# exit後、再ログインして反映
exit
hello-worldは普通にできて、 Docker Desktop WSL 2 backend も問題なく動いたので正直驚いた。しかし WSL2によるホストのメモリ枯渇を防ぐための暫定対処 - Qiita のようにリソース管理から解放されたわけでないので、WSL2のメモリ上限は最低限設定しておいたほうがいいだろう。
Docker Desktop WSL backendは Docker Desktop for Windows をインストールして、WSL2のセットアップが完了してれば使える。
「DockerとWSL 2を使用して最高の開発エクスペリエンスを実現するには、デフォルトのLinuxディストリビューションにコードを含めることをお勧めします。」と公式ドキュメントにあったが、これに沿わない使い方をする場合、WSL2を選択すべきでないのだろう。
エディタやIDE¶
Vimが使えるので問題ない….のだが、一応かんたんに実行できるかは調べた。
PyCharm¶
PyCharm 2019.3 時点でWSL2をサポートしている。(Proのみ)
WSLを使用してインタープリターを構成する - 公式ヘルプ | PyCharm にセットアップのしかたが書いてある。
リンク先にもはWSL内でPythonの仮想環境が作成できない問題があるようだが、WSL2内で手動で作成した仮想環境は指定できた。 使うときはWSL2上で環境を作ってからPyCharmにパスを教えてあげればよく、インストールしたPythonパッケージもPyCharmで識別できていたので問題なさそうだ。
Dockerを使用してインタープリターを構成する
にあるように、 Expose deamon on ...
を有効にした状態でDocker Desktop WSL2 backendを使用したインタープリターの指定もできた。
まだまだデバッガーの指定をしたり、PyCharmで起動したターミナルの指定をWSL2にしたりなど試せることはあるが実行できるなというところだけ確認してここでは終わりにした。こうゆう凝ったことをしようとするとうまく行かないイメージがあったが、意外とあっさり動いてしまった印象。
雑感¶
凝った使い方をしてないので万人におすすめできるかはわからないが、ひとまずは好印象。Ubuntu DesktopだとAdobe, Kindleが使えないのと、Bluetoothやオーディオ周りで手こずることがあったが、Windowsではそのあたりを気にしなくていいというメリットも得ている。
WSL2に関連するところで感じたのは以下。いいところも気になるところもありつつ、しばらくは付き合ってみようかなと思ってる。
よかった点¶
アプリを立ち上げる感覚でLinux環境が立ち上がるのがよい
WSL2内部で限っていえばI/Oが高速
Docker for WindowsがWSL2を指定できるので高速
壊れたときの復旧が楽になるように、スナップショットが取れ、別名でテンプレートイメージとしてimportできる
bash.exe や git.exe, vim.exe が 3~5 つインストールされなくなったのが良い。(どれ使ってるんだっけ問題)
気になるところ¶
WindowsとWSLで環境の差異は意識する必要がある。
WSL2によるホストのメモリ枯渇を防ぐための暫定対処 - Qiita のようにリソース管理から解放されるわけではない。
たまにWSL2が落ちてるときがある
VirtualBox の使用時に Hyper-V が有効だと不安定
WSL2 から Windows 領域のファイルを扱おうとすると WSL1 より重い
IPアドレスが起動ごとに変わるので、外部からスクリプトを使って処理するような処理がしにくい